中2 失恋

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逃げているのは同じ部活の先輩で、追いかけている声の主はクラスメートだった。 「げっ!何やってんだ?」 先輩は慌てて立ち止まる。 俺らが渡り廊下の真ん中に座っていたせいだ。 「先輩こそ」 高塚先輩は部活でも、そこそこ速い方である。 追いかけていたクラスメートは息を切らしながら追いついた。 「あおいちゃん、追いかけなくてもいいから~」 高塚先輩は言うが、手に持つ鍵がクラスメートの追いかける原因だったのだろう。 「高塚先輩が鍵を取って逃げちゃうからです!佐田くんまで帰っちゃったじゃないですか!!!」 クラスではどちらかと言うと真面目、暗めの北川 あおいが声を荒げていた。 「あおいちゃんが見てないからだろ?」 「先輩は今日陸上だって聞いてました!!なんでうちの部室の鍵持って行くんですか!!」 必死な北川と相手しながら、高塚先輩は鍵を俺に投げた。 受け取ったのを確認すると、さっさと走り出す。 それを今度は由季が追う。 疲れ果てた北川と取り残された俺。 「大丈夫か?」 とりあえず、声をかけたが、返事はない。 しばらくして、ようやく北川は顔をあげた。 「ごめんなさい。あ、鍵!」 鍵に気付いたらしいので、渡すと、北川は両手でそれを受け取った。 「ありがとうございます。邪魔してごめんなさいね?部活なので、失礼します」 お辞儀をして来た道を走っていった。
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