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「じゃあ、空乃さんは僕達の高校の中で一番優秀な能力者なんだね。」
セスが爽やかな表情と爽やかな声で称賛の声を送った。
「いや~~~っ!そんな大それたもんじゃないわよ~~~~っ!!」
元気よく照れるのは虹だ。
「我が校が誇る“大能力者-レベル4-”の“風力使い-エアロシューター-”だべよ。」
特徴的な訛り口調で会座が愛校信もないくせに言う。
「君たちはどうなんだい?会座くんや断早くんも彼女みたく高レベルの能力を持ってるのかな?」
セスが会座と光輝、2人に向けて質問するが、光輝はこの言葉に憎らしい視線をセスへと送る。
(コイツ・・・、からかってやがんな?)
彼はこの少年の能力については以前の第九学区の教会での話しあいの中で報告されているため一通り知っているはずなのだ。
にも関わらず、見ただけで一気に疲れが吹き飛びそうな清々しいほどに爽やかな表情でこんなことを言ってくるのは、彼なりの光輝に対してのスキンシップなのだろうか。
光輝にとってはまったくもってやめてほしいことなのだが。
「いやいや、優秀なのは虹だけで俺たち2人は万年底辺の補修常連組だべよ。俺が“異能力者-レベル2-”の“筋力強化-マッスルアップ-”で、光輝が“低能力者-レベル1-”の“念動能力-テレキネシス-”だべ。」
嫌そうな光輝の顔をみて簡単に会座が次々と個人情報を暴露する。
会座は自身のレベルの低さにコンプレックスを感じたりはしない。
この少年は元々高学歴に憧憬的な両親が強引に学園都市に入れただけで、通常の生徒の入学理由とは本人のそれが少し異色なのだ。
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