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会座はこの学園都市に対して特別な事柄を期待してはいない。
彼はただ授業でやらなければいけないから能力開発をしたし、出なければ進級すらも危いから補習授業にも出る。
彼にとって“超能力”とはその程度の些細なものでしかない。
だからこそ、こうやって簡単にも明るく自身の能力について語れるのだろう。
「てめっ!なに勝手の俺のこともばらしてんだよ!?」
光輝が会座に向かってキツイ言葉を放つ。
この少年も会座のこういった大らかな性格に救われている部分があった。
もし彼が自身の能力について劣等感を感じてレベルの向上に努力を惜しまない人間だったら、たった一晩でレベルを三段階ほど上げてしまった光輝は会座に対してうしろめたさを感じずにはいられなかっただろう。
とはいっても、親友である彼らに光輝が隠しごとがあることには変わりはなく、彼の性格がそれを正当化できる要因にもならないため、単なる自己満足に他ならないのだが。
「でも最近は光輝も余裕もって登校してて改心したみたいだし、会座だって根は真面目で頭も良いんだから、ちゃんと毎日ある補修に出れば卒業までには2人とも“強能力者-レベル3-”くらいいってるかもねっ!」
虹がつっかかる光輝を諫めながらフォローした。
そのまま話題転換し、その矛先をセスへと向ける。
「そういえば、セスくんはどんな能力を持ってるの?」
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