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自由科学部の活動日誌
事の始まりは一通の手紙だった。
『十二月八日。深夜一時に屋上にて』
A4の白い紙には不釣合いなほど小さな丸文字で記された手紙。空白の多さには驚いたが、ともすれば怪文書にも見える物を前にしたにしては落ち着いている方じゃないだろうか。
差出人の名前や住所などが一切記入されていない事から、直接投函されたのだろう事は容易に想像できた。宛名は『藤原徹(ふじわらとおる)様』となっている。間違いなく、十七年間慣れ親しんだ自分の名前だ。
こんな奇怪な手紙を寄越してくる人間は限られてくる。差出人の心当たりは一人しか居なかった――
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