鬼頭の花嫁

12/33
71人が本棚に入れています
本棚に追加
/72ページ
だったら、何故あの少女は… 宮野桜は、三翼と共に常にいたのか。常に護られていたのか 三翼の花嫁ならいざ知らず、そうでもない。ならばと思い切り、本人に問うたとしてもまともに相手にされない上に、会話の最中に三翼が割って入って終わってしまうだろう。 それほどの【何か】を、彼女背負っているのか――― まだ胸がモヤモヤする それは、言葉では言い表しがたい感情で今までこんな気持ちはしたことがなかった。 気持ち悪い…… 律はそこまで考え 我に返った。 「何か…、考え事ですか?」 か細いながら柔らかい、優しげな声が自分に向けられいるものだと瞬時に理解する 鬼が印を刻むのには理由がもう1つあった。 「いや、何でもない」 花嫁が危険に瀕した時には、必ず助けに行くることができるよう【花嫁の声が聴こえる】ようにするためだと言われている 律も、既に花嫁を学校に呼び寄せた身で有るがゆえにそれを理解していた。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!