序章

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夏の寝苦しい夜。 少女はゆっくりと目を開けた 空気が妙に蒸していて、額にはうっすらと汗が滲む。 「………、暑い」 小さくそれだけ小さく呟き 少女――― 宮野桜は重たい体を起こして、布団から出る。 不機嫌そうに立ち上がると窓から降り注ぐ月光に気付き、自然と窓辺に足を向けた 今日は夏休み最後の日だった ―――正確に言うと現在は、既に9月1日 朝になれば始業式があって、二学期が開始する日。 窓にそっと触れ息を吐く
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