序章

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別に、二学期が始まるのは一向に構わないのだ。事実、暇をもて余させないですむ。 しかし。 他のことで問題が生じているのだ 「あと、少しだけ…」 小さくそれだけ呟き、その言葉は夏の熱気に溶けるようにして消えた。そして、月光に誘われるようにして美しく輝く月を見上げる ――――ああ、あの時と同じ月だ 「――――…、華鬼」 少女はゆっくりと口を開く。 そして、一人の男 鬼の頂上に立つ鬼頭の名を呟いた
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