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家に帰ると咲羅は荒々しく部屋のドアを開く。
そして思い切り閉めた。
あいつの あの笑顔…。
ムカつく。
ムカつく。
恵まれた容姿に 恵まれた環境。
半分は 同じ血が流れているのに何で こんなに違うのか…。
『蘭丸…』
小さく呟いた唇を噛み締めた。
蘭丸を捜し出す為に 私の体は すっかり汚れてしまった。
【初めての相手は 好きな人と…】
そうやって照れながら話す友達の話に合わせるのは苦痛だった。
私の初めての相手は 自分より一回り以上も年上の太った親父。
脂ぎった その肌に吐き気がしたのを覚えてる。
全てが初めてだった私は ただ 目をつぶって その行為と痛みに耐えた。
そんな事を繰り返していく中で 心は見事なまでに荒んでしまった。
そこまでしてでも 復讐したかったんだ。
そして聞きたかったのだ。
私達を捨てた理由を…。
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