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―明後日、世界が終わります。
時代遅れの兎の被り物をした青年…であろう存在が告げた。
―へぇ、そうなんだ?
僕は答えた、さして興味のない風に。僕にはもう関係のない『世界』なのだから、興味がなくて当然である。
僕は死んだ。
だから、関係のないことだ。そうだな彼の情報を有益に取るなら…最後の審判がないことのみ、望もうか。
―僕に、何の用?
青年は自らをルール・ラビットと呼ぶ。なら、僕もそうすることにしよう。名前なんて今更だけど、意味なんて今更だけど…存在を呼ぶ手段を手放すのは惜しいからね。
ルール・ラビットは何の為に僕に未来を教えたのか。何故、もう過去も未来も無意味な僕に、教えたのか。彼自身、馬鹿げたこととは思わないのか。あぁ…只の噂好きな存在に過ぎないのか。
―それはね…
ルール・ラビットの真後ろから少女が顔を出した否、少女の顔には極々一般的な仮面舞踏会用の仮面で顔を覆っていた。
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