みどりサン、泣いちゃだめだよ

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「店長‥‥1便、入ってますよ」 「あ!」 蛭川は無愛想な顔に私服のTシャツを被せ、宮下は慌ててスタッフルームのドアを開けた。 ドアを出て左側がトイレ。 右がイートインと呼ばれる食事スペースである。 靴底がキュッキュッと鳴り、左に曲がって真っ直ぐ。 レジは3番まであり、みどりサンは真ん中の2番レジに立っている。 おむすびやお弁当、デサート類が入った1便の納品箱が配送センターの運転手さんによって、店内に積まれている最中。 「で、結局 お姉さんのオススメはメロチキなのね?」 「はい。メロチキは今、揚げたてです」 2番レジには先程の学生風の2人が立っている。 「お待ちのお客様、お待たせ致しました。こちらのレジにもどうぞ!」 宮下の入った1レジに、スマートフォンを持った方の客が立った。 「ならメロチキを1つ貰おうかな」 「ありがとうございます」 軽く頭を下げてFFの保温機に向かう宮下に、みどりサンが小さなガッツポーズを送った。 「じゃあ俺もメロチキ」 今度は宮下が、みどりサンにガッツポーズを返した。
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