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「酔わないうちに 送るよ」
と、言われ渋々席をたつ。
本当酔っぱらって全部忘れてしまいたい気分だった。
帰り際、加賀見さんに
「俺の彼女。今日からよろしく」
頭にポンッと手を置いて、ご丁寧に紹介してくれた。
「マジで!? なぁんか2人怪しいと思ってたんだけど。ちょっと歌絵ちゃん本当にコイツでいいの!?」
「え? あ、あはは」
笑って誤魔化す。
「俺がいいの。ね?」
肩をグイッと寄せられて2人の距離が近づく。
だからもぅ、顔近いっ!
ドキドキを悟られないように首を縦にブンブンと振る。
「うわー、マジでか」
チラリと工藤さんを見る。
「しかしまぁ、電光石火だったな。一目惚れ? 一瞬で恋に落ちちゃった?」
「歌絵だったから」
…今日、初めて名前を呼ばれた。
思わず隣を見たら優しく微笑んでる彼がいて、思わず本当にそうなんじゃないかと錯覚してしまう。
……嘘なのに。
「あー、そうですか。はいはい、じゃあもぅラブラブカップルはお帰り下さい。独り身には目の毒なんで」
ラブラブじゃないし。って言うか、加賀見さんフリーなの?勿体ないっ!
「見すぎ」
頬っぺたをブニッとつねられた。
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