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皆にお礼を言いながらバージンロードを戻って行く。
重厚な扉を抜けて教会の中へと向き直り、2人揃ってお辞儀をする。いつまでも鳴り響く拍手の音。
静かに扉が閉められた。
「っうわ!と、…どうしたの?歌絵」
バタン。と目の前の扉が閉められたと同時に千尋さんに抱きつく。
今まで我慢してた分、腕をまわしてギューッとしがみついた。
「……千尋さん。本当にありがとう」
涙でよれたメイクをなるべく見せないように、顔を千尋さんの胸に埋めて呟く。
「どういたしまして。ビックリした?」
私の背中に腕をまわし、ポンポンとあやすように優しく叩いた。
「もう、すっごくビックリしましたっ!!」
顔を隠すのも忘れて思わずすごい勢いでバッと顔を上げる。
「ぶはっ!それは良かった。狙い通り」
……ちょっと、笑ってるし。
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