17

83/133
前へ
/943ページ
次へ
皆にお礼を言いながらバージンロードを戻って行く。 重厚な扉を抜けて教会の中へと向き直り、2人揃ってお辞儀をする。いつまでも鳴り響く拍手の音。 静かに扉が閉められた。 「っうわ!と、…どうしたの?歌絵」 バタン。と目の前の扉が閉められたと同時に千尋さんに抱きつく。 今まで我慢してた分、腕をまわしてギューッとしがみついた。 「……千尋さん。本当にありがとう」 涙でよれたメイクをなるべく見せないように、顔を千尋さんの胸に埋めて呟く。 「どういたしまして。ビックリした?」 私の背中に腕をまわし、ポンポンとあやすように優しく叩いた。 「もう、すっごくビックリしましたっ!!」 顔を隠すのも忘れて思わずすごい勢いでバッと顔を上げる。 「ぶはっ!それは良かった。狙い通り」 ……ちょっと、笑ってるし。
/943ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44973人が本棚に入れています
本棚に追加