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勇者「ハァ…ハァ…この先に魔王が…」
僕は王様の命で姫様を助けるため、世界を征服する魔王を倒すために長い旅を続けやっと魔王の居る部屋の前に来た。
魔王城に入ってからここまで来るまでに僕と旅をした仲間達は僕を先に行かせる為に魔物の相手をしてくれてる。
僕が魔王を倒して皆を守る!
僕は目の前の大きくて装飾の多い扉を開け放ち先に進んだ。
「よくぞ来た、無知なる者。」
扉の中…広い部屋の奥にある禍々しい装飾のされた玉座に座っている魔王が僕を見てゆっくりと立ち上がる。
魔王は僕達と同じ人間の様な姿だが、角と悪魔の様な翼、そして赤く光る眼がそれを否定している。
魔王「勇者よ…そなたは王に踊らされ我等の仲間を、家族を殺し正義と触れ回る…ならば我がそなたを倒し新たなる正義となろう…」
魔王は玉座の横に立て掛けてあった一目で魔剣と判る剣を取って構える。
勇者「何を言う!最初に僕達を襲ったのはお前達魔物だろ!!」
最初に襲われたのは僕の暮らしていた村だった、大勢の魔物が村を襲い、壊し、殺し、喰らい尽くした。
その時、僕を育ててくれた伯父さんが家の地下倉庫に僕を隠してくれて僕は助かった…僕だけが…
そして、襲撃を知った城の騎士団の人に拾われ復讐の為だけに剣を学んだ。
どんなに辛くても、苦しくても、時には血を吐くこともあった。
けど、そのたびに村の皆の笑顔を思い出し、それを奪った魔物、それを統べる魔王への憎しみを再度燃やす。
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