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魔王「何を言う、我等の同胞を捕え、我々を襲ったのは貴様等であろう!」
勇者「話していても埒が明かない」
僕は腰に下げた聖剣を抜き魔王に向けた。
僕のいた村跡から近い遺跡で見つけた聖剣で魔王を倒す為に作られ、封印されていた。
魔王「やはり、話し合いは無理か…」
魔王も僕に魔剣を向けた。
勇者・魔王「行くぞ!!」
僕と魔王はお互いに駆け出した。
勇者「ハァ!やあぁ!!」
魔王「フッ、ぬるい!!こちらも行くぞ!」
僕の剣を容易く避けて、魔王は攻撃に入った。
魔王「そら!まだだ!そらそらそら!!」
勇者「くっ…重い…」
魔王の攻撃は予想以上に強く、僕は押され気味になってしまう。
ドンッ
勇者「!!」
魔王「もらった!」
僕が壁に背中を着けたときに出来た僅かな隙を魔王が見逃す筈は無く魔剣を振り上げた。
終わった…
僕は死を悟り目を瞑った。
しかし
「フレイムバースト!!」
魔王「!!…くっ…」
突然、女性の声と魔王の呻き声が聞こえ目を開くと、扉の前で杖を降った状態の魔法使いと、目の前で魔剣を床に刺して右手を押さえている魔王の姿があった。
魔法使い「ほら!勇者なんでしょ?シャキッとなさい!!」
魔法使いはいつものようにキツい言葉だがしっかりと僕を励ましてくれた。
勇者「うん!魔王、行くよ!」
魔王「くっ…来い!」
僕は聖剣を握り直し、魔剣を左手に取った魔王の元に駆けた。
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