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勇者「はぁ…はぁ…うゥ」
逃げてしまった…僕は弱い…クソッ!仇…とれなかったよ…
僕は魔王城の前で二本の剣を持って泣くことしか出来なかった。
逃げるときに大量の魔物の死骸と無惨に殺された仲間達の姿を見た事や、国王様に頼まれた姫様を救出出来なかった事。
僕は魔王を倒せなかった悔しさと、仲間の死を無駄にしてしまった事等様々な思いが心を一杯にした。
ゴゴゴゴ!
勇者「!!。城が…!」
突如、魔王城が大きな地鳴りと光に包まれて崩れ去った。
勇者「そうだ!姫様!」
僕は拐われた姫様を探し、崩れた瓦礫を漁った。
「勇者…様?」
勇者「姫様!ご無事で!?」
僕はなんとか瓦礫の中からボロボロになりながらも防御魔法で身を守っていた姫様を見つけた。
姫「勇者様!魔王は倒されたのですね!」
姫様は魔法を解いて僕に駆け寄る。
勇者「魔王は…恐らく、城と共に…」
姫「そうですか…しかし、もう周りには邪の気配はしません。魔王は居なくなりました。」
姫様は生まれつき魔物などの邪の気配を感じ取る能力があり、それを危険視した魔王が姫様を拐ったと言う。
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