1章

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 掃除箱から箒を取り出し、埃やら紙屑だとかをまとめていく。というか、今の時代やはり電動だろう。そろそろ掃除機導入しても良いんじゃないか?とか馬鹿みたいなことを考えての暇つぶし。 「あの、綾織君、塵取り取ってくれる?」  今の時代女子は気が強い。しかしクラスメイトの木村さんだけは健気で可愛いなって、少しだけほれぼれ。んで可愛い。ベストじゃないか。 「なぁーに鼻の下伸ばしてんのよ!」  そうそう、この暴力女とは格が違うのだ、格が。  飛んできたのはラリアットとかっていう名前だったか。 もの凄いスピードで飛躍した。なんかこっち方面で活躍していけそうだなって、これまた関心関心。 「ッ―――。朱希、さすがに痛い。それに鼻の下なんか伸ばしてないよ」 「知らなーい」 「……。暴力はよくないと思うよ、女子的に」 「あんたに言われたくないけど」 「いや、僕だから言えるわけであって……」 「うざい」 「すいませんでした」 「あんたが弱すぎなの。体鍛えたら?」 「はい、すいませんでした……」  鼻だけを鍛えるのはとっても辛いと思う。
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