†魔人 No.2†

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萠美と千里の戦いは過去類をみない熾烈なものとなり、死者は出なかった(能力により出さなかった)ものの、半径40キロの土地は壊滅、荒野と化した。 22時間にも及んだ決闘は、ついには萠美の気絶という形で幕を下ろし、魔人として初めての黒星となった(余談ではあるが、審判や観戦者らの話によれば、千里も相当な傷を負っており、かつ長寿、大賢者相手にここまで戦えたのは、どんなに低く見積もっても引き分けだという意見が多数を占めていた)。 太刀咲家家訓による決闘に敗北した萠美は、かつてない屈辱と挫折を味わい、満身創痍、自害を図るものの、千里に止められ、魔法とは、人生とは何かと諭され、初めて今まで自分が他者に対して接してきたことを悔い、千里を師として仰ぐようになった。(これには多少の恋愛感情も含まれる)。 その後萠美は今回の一件の責任(主に土地、建物、家屋破壊)で学園と国を去り、雨乃宮家の敷地内にある幻魔寺に居を構え、雨乃宮の傘下となった。 現位は世界7大賢者による魔人審議会で決定され(決闘内容含む)、違例ながらも、純粋な魔の血筋でありながら聖人、しかもかの大妖怪・九尾の狐が得意とした極東魔術・幻術を習得していることから天狐九尾、現人神となった。 御狐様(おきつねさま)という名は、千里が「天狐九尾なんて堅苦しいから、これにしましょう」 と言って、後付けされた名前であり、大きな九つの尻尾も、千里の大魔導術(ここでは人間には到底成し得ない魔力と科学の融合という意)で、ノリで付けられたものである。
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