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「明日、休んで病院に行ってみる」
私は進まない食欲に箸すら重く感じながら母に言った。
『それがいいわ』と母は心配そうな顔をしながらも、ホッとしたのか軽く微笑んだ。
その夜は、早々に布団に入り、病院に行くと言う安心感からか、ここ数日の睡眠不足も重なり、痛みを感じながらもウトウトと眠りに入れたように思えた。
『ね…え……』
誰?
『ねえ…』
うるさい!私は眠りたいの!
『ふふふ…無駄だよ…』
途端に体中が強張り、強烈な頭痛に悲鳴をあげた。
だが…正確には、声は出ていない…いや、全く出ない!
頭の奥でぐわんぐわんと鐘を突かれているような衝撃が、波紋のように繰り返し響いてくる。
体は動かず、何かが乗っているように重い!
(金縛り…?)
私はそのまま意識を失った。
気がつくと、まだ窓の外が真っ暗で、痛みにため息をつきながら、枕もとの時計を見た。
(2時30分か…)
ふと視界の端に何かを感じ、顔をそちらに向けた。
(だ…れ…?)
何か白いものが見えた気がしたが、そこには何も誰もいない。
(今のは…気のせい…?)
「…っうく」
また激しい頭痛を感じ、何も考えられないまま朝を迎えた。
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