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ーー
「あれ?」
せっかく気合いを入れて来たというのに、保健室の扉には鍵が掛けられていた。
明かりも点いていない。
居ないと思いながらも無駄にノックしてみたり。
「んー…」
智乃、居ないのかなあ。
やっぱり屋上で……?
もんもん
いやッ
これでいーんだっ!
二人がくっついてはっぴーえんど!
おっけー!
さいこーね!
いいんだ、いいんだッ
あたしにはさっ、いっぱいいるもん
ねっ
陽介とさっ、夏芽に、亜子でしょ、洋紀も
ヘヘッ
羨ましいでしょっ?
それに対して智乃は、智乃は……、
………そっか
智乃、友達居ないんだっけ
そっかあ
智乃には、爽太しか、いないんだね
アレ。
あたし、ここに何しに来たんだろう。
智乃に会ってどうする気だったんだろう。
智乃、泣いてた。
あたしが泣かせた。
あたしの存在、智乃にとって、辛いだけ、
きびすを返した。
その時。
ーカチャン
・・・え?
振り返った先、閉ざされていたはずのドアがゆっくりと開いていた。
「………あれ?」
「ーー…」
ドクン
覗いた顔に、見覚えがあった。
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