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「そおやってアンタはなんでもかんでも赦すんや!?リンチされたことも!?こんなクズのことも!?」
ばんっと自分の胸を叩いた彼女。
ふるっと首を振る。
……違う、
「そおやろ!?何が違うねん!」
……違う、智乃はクズなんかじゃない…ッ
「……あ、あたしは」
「なにッ?」
「あたしは智乃と友達に……ッ」
「ワタシはアンタを友達やと思ったことなんて一回もない!!」
ーー・・、
すくっと立ち上がった彼女を見上げる。
今罵倒されているのはあたしなのに、どうしてアナタが、そんなにも傷付いたカオをするのか
「美湖とおったら醜い自分さらけ出されるねんッ…」
「……」
「あんたとおると、しんどいし辛いし苦しい」
「…ちの、」
「もう話しかけへん」
身を翻した瞬間、涙が舞った。
階段をのぼっていく彼女の背中を見えなくなるまで見ていた。
絶望感に支配された胸が苦しい。
対照的に溢れる様子のない涙を不思議に思った。
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