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もひとつちなみに、陽介はこの事態に一言、やっぱりね。とこぼした。
まぁ当たり前っちゃあ当たり前なんだけど陽介にはこうなること端っから解ってたんだね。
それでも彼のこの案を受け実行に至った意図、全てをはかり知ることは出来ないけれど
まぁ少なくとも、どうにでもなっちゃえおれはもう限界なんだよーう!ってな気持ちがあったのかなーって。
ほんとに、ほんとに申し訳ないことね
そんなことがあってからどれくらいだろう。
小学3年生の春頃。
ちょうど彼と出逢って一年がたった頃。
この頃になると、夏芽、洋紀、亜子にはもう結構気を許してたね。
そんな素振りは見せていなかった(つもり)けど、正直3人のことはめちゃくちゃ大好きになっていたんだよね。
そして彼のことも、さすがに毎日のようにひっついてくると馴れてくるもんで、身体は反射的に避けるけど本当はもうとっくに解ってたんだ。彼は味方だってこと。
そんなある日のこと。
陽介は、爽太に誘われて少年サッカークラブに入っていた。
その頃まだ始終陽介にべったりだったあたしは、もちろん練習中も陽介が視界に入る位置に必ずいて、終われば一緒に帰っていた。3人でね。
そんなある日、詳しいことは覚えてないけど、忘れ物をしたとかで練習後に自分たちの教室に行ったんだよね。
そしたらそこにまだ数人の生徒が残ってて、楽しそうにお喋りしてたわけ。
その生徒といえばクラスの中心的存在のグループで、気の強い子たち。
そんな彼等がどんな話をしていたかというと、なんと夏芽と洋紀の悪口を言っていたわけよ。
なんか何言ってたかな、取りあえず洋紀に対する僻みだったんだと思う。
洋紀、クォーターってやつで超キレイな顔してるのよね。ハーフっぽいの。髪も色素薄くてさ。優しいから女の子にもモテてたし。
そんな洋紀と一番仲の良い夏芽はとばっちり、てきな。暴力女とかブスとか言ってたと思う。
そんでさ何がたち悪いかって、あたしと陽介が教室入ってきたの気付いてもその話題やめないことね。
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