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「今まで通りにしてて」
ポツリと言葉を発したら、彼は下げてた視線をまたあたしに戻した。
「…オレたちは？」
「……」
「っだから、いつも言ってるだろ？オレは美湖のイヤがることはしたくないんだってっ」
「爽太が智乃と距離置いたってあたしたちは今とかわらないっ」
「…はぁっ、じゃあどーすりゃいーんだよっ。お前はオレが岩下好きなの気に入らねんだろっ？」
下がってた眉が今度は逆にほんの少しつり上がる。
そんな彼を前にあたしは怯まない。
「お前は自分だけのオレでいて欲しいんだよな？そうだろ？自分だけが優しくされたい
自分だけが特別扱いされたい、」
「ーーあたしはべつにっ」
図星、
その通りなことを解っている。
そして彼も知っていてそうしてくれている。
またソレも、あたしは解ってる。
逆も同じ。
「そうだろ！」
「……っそうだよ！」
そうだよ、だから、
だから依存なんだ
だからあたしたちは、狂うんだ
「ーーッ、んだよ…！」
拳を握り締めた彼。
あたしは唇を結ぶ。
「……おれ、ほんとに美湖が大事だよ」
爽太の言葉。
今はなんだか切なくて、
「まもってあげたいって思って、美湖さえまもれたらソレで良くて、……ほんとに美湖が大事だ。そばに居ないと不安なんだ」
「……」
「気付かなくてごめん。協力とか頼んで、本当にごめん。」
………あたしの涙の理由を彼はやっと気付いてくれたけど、結果はやっぱり変わらない。
今の状況からの脱出は無理だった。
それは多分、結局彼が“根本的”なモノに気付いていないからだ。
あたしはアナタが、好きなのよ
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