172人が本棚に入れています
本棚に追加
ーーー
サッ、サッ、サッ
こんにちは
美湖です
「爽太くん、私ここの棚拭いていくね」
サッ、サッ、サッ
えっと
ただ今床をホウキで掃いています。
「ん、サンキュー岩下。じゃあオレ棚のガラス拭いてくな」
「わかった」
えっと。
あんまり目立ったゴミも無くて、
…えと、掃きがいもないっていうか、
「ごめん岩下そこの雑巾とってくんね?」
「あ、はいこれ?」
「ん、さんきゅ」
………………。
なんていうか取りあえず。
この状況がオカシイと思う。
キッとあたしは仲良く棚を拭いてる二人の後ろ姿を睨みつけた。
なんたる屈辱。
なんて冗談めかしてぼやいてるけどほんとに結構わけわかんないや。
放課後の罰掃除1日目。
取りあえず森ちゃんの住みかの理科準備室かなって来てみたけど、なんか後から遅くなってごめんなんて言いながら智乃がやってきた。
きょとんとするあたしをよそに
あーわりぃなー
なんて言って彼女を迎え入れる爽太のやろう。
きいてないし
知らないし
意味わかんないし
智乃なんてあたしのことは見ようともしないから、ほんとう腹が立つ。
なんであたしがこんな窮屈な思いしなきゃいけないっ?
こんなだったら一人でする方がマシだったよっ!
二人からふんっと顔を背ける。
なんだよ智乃。
ここに夏芽と亜子と洋紀と陽介と呼んで、ひとりぼっちの気分にしてやったっていいんだよっ!
「ーー…っ」
途端思わず口元を押さえた。
や、やだ
あたしったら何ひどいこと考えて……
最初のコメントを投稿しよう!