八つ当たり

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なによ。 なによなによ。 何であたしが智乃にあんな態度とられなきゃなんないわけ? あたしが何したってゆーのよ。 そもそもあたしは、あなたたちの為に、頑張って‥ 爽太と距離置いたりとか‥ 爽太に‥辛い思いさせてまで‥ なのになんで・・ ――バンッ!! 「…美湖?」 あたしは持っていたほうきを床に強くたたき付けていた。 保健室へ向かおうとしていた2人の足が止まる。 何が起きたのか分からない爽太は小さくあたしの名前を呟いた。 ーー・・・ッ 「…、とりで十分……」 「え、?」 「ひとりでじゅーぶんっ!もうもどってこなくていいっ!」 怒鳴ってから、ふたりの横を擦り抜け走った。 全力で走った。 目からは、大粒の涙がポロポロと溢れていた。 ーーなんなんだろう、この感情は。 怒り? 違う。 ・・・悔しい。 友達だと思ってた。 初めて、夏芽たち以外に友達が出来たと思った。 自分一人で友達を作ることが出来たと思ってた。 どうしてなの? 何がいけなかったの? あたしはやっぱりまだ こんなにも智乃が大好きなんだ。 ーー・・ひどいよっ だったら、少しだって、気を許してしまうようなことをしないでよ……っ ちがう、あたしがバカだった 智乃は爽太が好きであたしを利用しただけなんだ 見抜けなかったあたしがバカなの でもでもそんなのいくらだって居たのにどうして、 どうしてなんで 彼女は 違うと そう 思ったのーー・・ ーーー彼女が 智乃が 好きだ たった数日でどうしてこんなにも心を奪われる 未だに信じてる 違う 信じたくて震えてる あの笑顔 涙 ぬくもり全て わずかな 本当に僅かな記憶に洗脳されてあたしは彼女が恋しくて仕方ないー・・
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