あたしの愛犬

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――・・ 「飯島さんって上地君と付き合ってるの?」 二年生になって数週間。 今日、午前中は全校生徒で体力テストになっていた。 亜子と夏芽と喋っていたところに後ろから声をかけられあたしはくるりと振り返った。 「――え?」 同じクラスの女の子2人がそわそわとしながらもう一度言う。 「上地君と付き合ってるの?」 ・・あぁ。 「ちょっと何ですか?美湖様に用があるならまずはこのワタクシを通し「夏芽」 悪ノリする夏芽を亜子が笑顔で一喝するのは毎度のこと。 えへ、と舌を出す夏芽に2人はくすくすと笑う。 「ごめんなさいね、この子こんなで」 「ははっおもしろいね!」 「あははっ」 笑顔で亜子が詫びると、口元を押さえて笑ってくれる。 だから、あたし達も一緒になって笑った。
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