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「同じクラスだっけ?」
人懐こい笑みを見せる。
「うんっそうだよ!!」
「よろしくねっ」
今にもキャーなんて叫び出しそうなくらい興奮するふたり。
「よろしく」
お得意子犬スマイルを向けると、案の定小さい悲鳴をあげて走り去ってしまった。
そんなふたりを見て頭にハテナを浮かべてる子犬は、よくあるパターンなのでして。
そう、自分のことには鈍感だったりするキャラなのです。
「あ~爽太が自己ベストならあたしも一発やるかなー!」
夏芽がうーんと伸びをして言った。
「じゃああたしも走ろっかな!」
「おっ美湖、一緒に走る?」
「やだよ夏芽速いもん」
亜子と爽太を残して、あたしは夏芽と一緒に50mを測定してる場所に向かう。
「陽介と洋紀、今どこだろうねぇ」
「ん?さぁ~こーいう場ではあのふたりの近くには極力近寄りたくないね!」
「はは、だよねぇ」
ムスッと言った夏芽にあたしはため息混じりに微笑をこぼした。
………二人は、モテる。
理由はソレ。
それだけ。
ソレがあたしたち女子群を、呆れるくらいにイラつかせる。
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