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少年の、切れ長の目に見据えられて、私はなにも言えなくなってしまった。
「はやくかえれ、濡れるぞ」
この少年をおいて帰るのも申し訳なかった私は思い付いた。
「じゃあ、帰るから、あなたもうちにこない??」
「え」
細い目を少しだけ見開いた少年がなんだかきれいで、ちょっと見とれてしまった。
「…この葉っぱ、もらったお礼になにかしたいの。お菓子くらい出すから、うちに来て」
少年の目が輝く。
「お菓子って、あのいつものやつか??!」
「え??いつもの……??」
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