呪いの本

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 目の前にまず入ってきたのは、靴箱。  当たり前のことだな。  「呪いの本」は本だから図書室…という可能性が高いが、一応ここも探すことにした。  靴箱にはふたが付いていて、いちいちふたを開けるのがめんどくせぇ。   ――ぎぃ…ばたん  一つ一つ探していく。  「呪いの本」がどんな大きさかわからない以上、靴箱にも入る可能性もあると考えた。  「ったく、ぜんぜんねぇな。図書室へいくべきか…?」  そう言い次の靴箱のふたを開けたときだった。  ふたを開けた隙間から人の生首がこちらを見つめていたのだ。  「ぎゃあああああああ!!」  あまりにもいきなりすぎて今までにないほどの悲鳴を上げた。  なんなんだ?今のは…。  夜の学校に生首なんてないだろ、普通?  それに噂は「呪いの本」だけじゃねぇのかよ…。    見間違いかもしれない。  そう思いまたその靴箱を開ける。  しかし、やはりそこには生首があった。  「ひぃ…。」  短い悲鳴を上げる。  2回目でもやはり怖い。  「……ん?…にせもの?」  よく見てみると、それは絵の具でペイントされている。    夜の学校だから…という理由もあるけど、ここまでクオリティが高いと、朝でも腰を抜かすだろう。  「こんなことするなんて、いい迷惑だよ…。」    結局、靴箱には「呪いの本」なんてなかった。  とんだ無駄骨。  「はじめっから、図書室へ行くべきだった…。」  俺は3階にある図書室へと向かった。
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