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――コツ コツ コツ
床とローファーがぶつかる音が鳴り響く。
上履きを履かずに廊下を歩くことは初めてだな。
それがこんなに暗いところだとは…。
3階の図書室には校舎の中央近くにある階段を上っていかなくてはならない。
今日は満月ではなかったが、月の光が窓から差し込んでいて、周りが良く見えやすい。
「暗くなければ探しやすいし、そこまで怖くないな。」
階段の最後の段を上る。
南側の廊下。
そこを西へ曲がる。
その突き当りに図書室があった。
すべての部屋は鍵が閉まってあるはずだが、玄関のように勝手に開くのだろうか?
そう思い図書室のドアの前に立ってみる。
…が、一向に開く気配がない。
「どうやって入れってんだよ…。」
そういいながらドアの取っ手に指をかけた。
――ガラガラガラ
「…開いた。」
鍵がかかっていない?
放課後になると先生がいつもかけているのに…。
玄関に鍵がかかってない時点で不自然だし、ドアがひとりでに開くのもありえない。
もしかして、本当に「呪いの本」は――…
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