呪いの本

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  ――ガラガラガラ  ドアを閉める音が鳴り響く。  さっきから思っていたことだが、どうして何も聞こえない?  俺が動いたり動かしたりしたものの音しか聞こえない。    真夜中……そう考えてもおかしくはない。  でも、この異様な静かさ…。  この異様な空気は、いったい――?  「それより「呪いの本」がどんなものかわからないのに、どうやって探せって言うんだ?」  表紙にでっかく「呪いの本」って書いててくれたらどんなに探しやすいだろうか。  図書室にある本。  数えなくて何千冊もあるように見える。  この中から姿かたちが全くわからない一冊の本を探し出すことは不可能だろう。  でも、探して見つけないといけない気がして、本棚に手を伸ばした。
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