呪いの本

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 「ねぇ。呪いの本って知ってる?」  月曜日の朝の教室で一人の女の子が話しかけてきた。  「呪いの本?」  「そう、この学校に呪いの本があるってうわさがあるんだ。」  ――日比谷 零―― 高2  俺はホラーとかオカルト、呪いとかには興味ない。  どっちかって言うと、科学的に証明できないものは好きじゃない。  「俺、そんなの興味ないから。」  「えぇ。でも、自分の学校でこういう怖いうわさがあるのって、ワクワクしない?」    ――武井 梨乃―― 高2  俺の幼馴染。    こいつは昔っから俺が嫌いなものを好きになる。  俺の嫌いなアーティストとか、芸能人、食べ物、遊び、オカルトの世界――。    「本なんだから図書室にあるのかな?  昼休み一緒に探してよ。」  「はぁ?なんでだよ。一人で探せ。」  「冗談で頼んだだけですぅ。」    
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