呪いの本

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 苛立ちを覚えたまま、利乃の言ってた昼休みになった。    「はぁ…。今頃、樹といちゃついてんだろうな…。」  そう考えるとまた、大きなため息がでてきた。  「零。ちょっとついてきてくんねぇ?」 「高島。…ついてくってどこに?」 「図書室だよ。ほら、俺、図書委員じゃん。」  図書室……。  その言葉から、利乃の言ってた「呪いの本」の言葉が浮かんだ。  本って言うんだから、図書室にでるんだろうか……?  「…って。何考えてんだよ。俺はオカルトは嫌いだ。  よし!!高島!!いくぞ、図書室!!  ぜってぇいく!!!」 「何張り切ってんだよ。…あ、はやく、いかねぇとやばい!!」  自分の頭に「呪いの本」という言葉が浮かんでることを、俺は認めなかった。  これは、ただ、好きなやつの言った言葉だから、気になるだけだ。と、無理矢理、解釈した。  
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