呪いの本

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 「そんなことより、樹、聞いてないよぅ。「呪いの本」は夜にしか現れないなんて。」 「あれ?言ってなかった?  じゃぁ、全部言おうか?」  俺の言ったことを「そんなことより」と言われて、苛立ちというより、少しへこむ…。  そのまま、樹のやろーは「呪いの本」について話し始めた。  「呪いの本には、守らなければならないことがいくつかあるんだ。  夜にしか現れないこと。  その本を探してはいけないこと。  その本を見つけてはいけないこと。  その本を触れてはいけないこと。  その本に書かれてることをよんではいけないこと。  その本の前で好きな人に告白してはいけないこと。  その本の作者に謝ってはいけないこと。」  「なんだそれ。いけないこと多すぎだろ。」    「そして、これらを破ったら、その本から罰が与えられるらしい。  まぁ、俺はその罰ってのがどんなのか知らないけど。」 「へぇ。でも、そこまで知ってるのはすごいことじゃん。  ますます、気になってきた!!」 ――いらっ  「梨乃は幸せだよな。そんな子供だましみたいな噂信じるなんてよ。」 「どうせ、子どもですよ~だ。」  梨乃は目をぎゅっとつむって舌をべーっとだしてみせた。  「でも、零が大人とも言えないよね。  子どもじゃないんだったら、夜の学校で「呪いの本」探してみてよ。」  「そりゃあいい。」  なにがおかしいんだよ。  二人で俺を馬鹿にするな。  「はっ!呪いの本は探したらダメなんじゃねぇのかよ!!」  「あれ?もしかして、実は信じちゃってる?」  面白そうに笑いながら言ってくる樹。  その顔、梨乃の前じゃなかったらぶん殴ってやるのに!!  
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