第一章

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私はね、人の本心って物がたまらなく好きなんですよ。 捨てたくても捨てられず、 一生さらし続けることも無く、 全員が必ず持っていて。 なおかつ誰もが隠し続けてるもんです。 人間には面白いことに『感情』っていうストッパーがありまして、そう簡単に本心を見れないもんです。 しかしながら、命の危機がある状況では、ストッパーなんて満足に働きません。 だから私の人生で最高の娯楽は、街中に仕掛けたカメラでその5分間を見ることでありまして、 その趣味によってこの街に留まる事を余儀なくされているわけです。 そこのあなた、興味持ちました? 来てみますか? いえいえ、必要な事は特にありません。 入街条件もいたってシンプル。 『何も持っていないこと』 ですからね。 さて、そろそろ世間話はお開きにして、本編を始めましょうか。 私? だから、名乗るほどのものではございませんって。
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