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「ねぇ、今日って何日だっけ」
それは本当に日付を知らないわけではなく、ただ単に現実逃避したかった為の発言だった。
本来天井があるべき部分を見つめているその瞳の焦点は、暑さのためか、現実から目を背けたいからなのか、左右で見る点が異なっている。
少年の名はリュウタ。
本名であるのかは分からないが、この街で必要なのは本名ではなく、呼び名なので特に問題は発生しない。
この少年、15年間この天樂街で過ごしている。
大の天樂街ファンという変態などではなく、ただ単に出ることが不可能だっただけだ。
理由は本人にでも聞いて欲しい。
生まれてから一度も天樂街の外に出たことがない。
殺されかけたことは数え切れないほど。
人を殺したことも自慢ではないが少なからずあるそうだ。
ちなみに初体験は父親。
おっと。
初体験と聞くとエロいと感じるのは思春期の性であり、
なんら恥ずべきことではないから安心しよう。
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