第一章

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「何? 俺に現実見せようとしてんの? あ、ボケろって事か。じゃあ今日は命日」 笑えねー 実際に近々命日を迎えそうな状況にあるというのにこんな冗談を言えるのは馬鹿なのか、それとも緊張感がないのか。 ……どちらにせよバカには違いない。 このバカの名前はハツユキ。 産まれた日に雪が降っていたからという安直な理由でつけられたそうだが、本人は怒り心頭で今にもPTAに猛抗議しそうな勢いだ。 あだ名はハツ。焼き鳥屋のなどでメニューに書かれているのとは違うのでご注意を。 彼の両親は、ここで過ごしていく上で絶対に守らなくてはならないルールを破り、姿を消した。この街から。 もちろんそれは自らの意思ではなく この街の人間によって消されたのだろう。 彼らは人生に負けたのだ。
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