第一章

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「そっかー。そういわれるとそうだよな。 にしてもさ、出街者の割合ってすげー少ないらしいぜ? 10億ぐらい稼いでる奴らも出ていかねーんだぜ? なんでだろーな?」 布団でも叩きながら叫べば出て行ってくれるかもね。嘘だけど。 「まぁ当然でしょ。人間の心理だよ。 お金が少ない頃は出て行っても生活できない。 お金が増えると街に半分返すのがもったいなくなる。 だから、この街に入った奴は一生出れないのかもね」 おっと、今の理論は僕達は適用外だ。 常識にとらわれないのが僕等のいい所だからね。 「わが道を進め」というのが我が家の家訓でして。 「ルールは破るためにある」 ……これも家訓にあった事から、我が家の家訓は無意味になることが分かったけど、まぁその辺は割愛。 実際、この街は金儲けのシステムについてよく出来ていると思う。 この街を作った人の頭まではノーコメントだが。 なにもしなくても500万貰えるという幻の餌を目の前にぶら下げられて、帰ってくる事が出来なくなるくらい深い闇に誘われてしまうのだ。 現在進行形で誘惑されてる僕達も、未来形でデットだろう。
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