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「靖供の野郎が勝手に禁軍を出してきやがったんだ…」 「禁軍ていやぁ、王の私物だろ?なんで靖供って奴はそんな…」 男は腹立たしげに床を踏み鳴らした。 「だから、獣だって言うんだよ。」 とにかく、もうダメだと思った所に、麒麟が降り立ったんだよ…   まさか自分達の陣中に王がいると思って無かった義民は、結局靖供どころか、王までもが敵だと思い、敗走を考えていた所だった。 ところが、台輔に駆け寄り乗騎した人物がいた。 そしてそのまま、禁軍の方へと駆けて行ったのだ。 「あの時の主上は…ただの小娘だと思ってたのによぉ…禁軍の将軍を一喝したんだぜ?あの覇気と言ったら…」 「景王が義民の中にいただってぇ???」 「あぁ、緋色の髪に、鮮やかな緑の目の人なんだ。俺と一緒に戦っていたとは夢にも思わなかったんだが…」 「オイラは、そんな話し聞いてねぇぞ?」 「そりゃ、王がいたとなっちゃまずいから、公には言って無いだけだろ?」 「…確かに、まずいよなぁ?」 「ま、そんな訳で、俺は今の景王を信じてんのさ!」 「そうか、いい話を聴かせてくれてありがとな?」 話を聴かせてくれた若者と別れ、また堯天を目指す。 目的地は後もう少しになっていた。
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