三章:変わりゆく

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  「私も有り得ないとは思うけど……ねえ?」   「事実ですよ。この方はルーフル・ルーズリア。間違いなくルーズリアの姫様です」    アルネを見ると、しっかりした口調でそう言ってくれた。証明するものがないのは苦しいけど、信じない理由もないだろう。   「うーん……メイドさん連れてるし、本当に姫様なのかなぁ」    アルネが証拠として機能していた。    目を閉じて、小さく唸っていたレユリは一度頷く。   「うん、分かった。姫様だね」    信じてくれたみたいだ。適応力が高いようで、もう驚いてもいない。   「説明、しておけば良かった……」   「で、マスターは姫様に絡んでたの? 迷惑かけちゃ駄目だよ?」    レユリがフェリンを見た。母親が子を注意するような口調である。   「む……」    そして少しムッとしながら頷くフェリンは、本当に子供みたいに見える。    どう見てもフェリンの方が年上なのだが、精神年齢は違うらしい。   「あまり怒らないであげて。フェリンは私達の話を聞いてくれてたのよ」   「そうなの? あ、私が忙しかったからかな。久しぶりに働いたんだね」    過去形ということは今は違うのか。話すなら今しかない。フェリンの頭を撫でるレユリへ、私は本題を持ち出す。   「ねえ、料理大会まで私に、料理を教えてくれないかしら?」   「え? 私でいいなら別にいいよ」    あっさり頷いた。もう一度確認したいと思ってしまうくらいに。  
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