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随分簡単に頷いたものだ。色々と気にしていたのに。
「マスター。少し休みを貰っても大丈夫かな?」
あまつでさえレユリは、フェリンにそんなことを聞く。
レユリが休んだら料理が出せなくなるし、断られるのは目に見えてるのに。もしレユリがいなくなったら、喫茶店は大変なことになる。
「いい、わよ」
と私は考えていたが、フェリンは二つ返事でその要請を受け入れた。
――もうフェリンがマスターなだけで、大変なことになってる気が。
「喫茶店はどうするんですか?」
当然の疑問をアルネは口にする。すると二人は肩を竦めてみせた。
「マスターは適当だし、今までも結構あるし」
「常連さん、は……分かってくれ、る」
混沌とした喫茶店だ。まあフェリンがいるなら飲み物は出せるし、喫茶店と名乗っても大丈夫そうだけど。かろうじて。
「というわけ、で。しばらく……飲み物だけ、で商売するわ」
「本当、よく潰れないわね」
そう言って、ココアを一口。今朝食べた物も美味しかったし、今飲んでいるココアも相当美味しい。この喫茶店、雰囲気だけでなく味も確かなものだ。
表面上呆れたことを言いながらも、頭では中々潰れないだろうと認めていた。
それは常連らしき人達も同じなのか、やれやれといった感じで肩を竦めているが、文句は一つも言わない。
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