三章:変わりゆく

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   みんなからそれなりに人気は得ているようだ。    フェリンも何かしら努力している……のかもしれない。レユリだけでは、とても喫茶店なんてやってられないだろうし。   「さてルーフ――姫様、何を習いたいの? 料理と言っても色々あるけど」    レユリが首を傾げる。人当たりの良い笑顔を浮かべており、さっきのような警戒した様子はない。   「そうねえ……とりあえず名前はルーフルでいいわよ」   「いいの? ならそう呼ぼっかな」    レユリは嬉しそうに笑う。    銀のトレイをテーブルの上に置くと、彼女はメニューを開いた。   「ルーフル。料理大会は一品だけ作って競うから――何か一つにジャンルを絞った方がいいと思うの」    そしてそれぞれの料理を指差していく。    何か一つのジャンル、というのは私も考えていたところだ。七日間では限度があるし。   「焼き物、煮物、デザートとか……何でもいいから一つがいいかな」   「ならデザートがいいわ」    私は即答した。甘いものは好きだし、迷う必要もないだろう。   「うん。じゃあ、これから七日間デザートを頑張ろ」    レユリは頷いてメニューを畳んだ。それから何やら難しい顔をし、   「……お客様やマスターにも手伝ってもらおうかな」    よく分からないことを呟いていた。            こうして、私の修行が始まった。    料理に挑む私の心残りは、ロウリアの家に置いてある報酬。    料理長へ贈られた、魔法のレシピだった。  
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