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『落ちこぼれ』。
私、クランメ・クランハイスは長らくそう呼ばれてきた。
クランハイス家はルーズリアに代々伝わる、有名な貴族である。
体内に宿る魔力が生まれつき濃く、魔力を操る才能も一流か二流。
クランハイスの家系に生まれた人間の殆どが、歴史に名を残す偉人であったという。
クランハイス家の人間は、まさに魔法使いになるべくして生まれる。
ただ一名、私だけを除いて。
――三年前。私は今でも鮮明に覚えている。
落ちこぼれと言われた私に、才能を見出だしてくれた少女。
彼女の屈託のない笑顔を。
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