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男の人がいるからお米や醤油、しまいには詰め替え用のシャンプーも買う。
「ちょっとこれ、俺がいるから買ったでしょ?」
「ばれた?」
舌を出して答えると、彼は微笑んだ。
「そんな急に買わなくても、いつでも一緒に行くよ」
チュっと頬にキス。
前々から思ったけど、なんで彼は羞恥心がないんだろう。
ジロッと見ると、ん?と全く分かってないみたいだ。
「ねえ、そっちの荷物持つわ」
「いーよ。これ重たいし」
「片手が開かないと、手が繋げないでしょ」
――――
グツグツと、煮物を作る音。キッチンにはおいしそうな匂いが充満している。
「あー、うまそーな匂い」
テーブルに顎をのせて、幸せそうな彼の顔。
この空間がずっと続けばいいな、と思う。
「ショーコ、実は猫耳持ってきちゃったんだけど」
「え?」
思わずさえ箸を落としそうになる。
「首輪もゲットしたし」
まさか……。
「かわいいにゃんこに今日は癒してもらおうかな」
にゃんこって、私のこと!?
私の挙動不振な態度に彼はプッと笑った。
「昨日は許しちゃったけど、今日は寝かせないよ?」
彼は有言実行で。私が寝たのは明け方だった。
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