最悪な日

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やさしく髪を撫でられ、私は目を覚ました。 目の中に広がるのは知らない天井。 そして……私は裸だった。 「起きた?」 横にいるのは、みたことのない美青年。 同じく裸。 「え、ここどこ」 「ラブホテル」 男はクスッと笑った。 「あんた、かわいいね。ベッドの中だと素直で。もっと職場でも素直になればいいのに」 誰……? うちの会社にこんなかっこいいひといたっけ? わからなくてじっとみつめると、男はくしゃっと笑った。 「ひどいなあ、綾瀬さん。直属の部下のこと忘れるなんて」 … … 「えっ!?上原くん?」 「正解!」 眼鏡がないだけで、彼の印象はガラリと変わった。 「な、なんで、私ここに…」 「あんたが離れたくないって言ったんだよ」 … … え!? 今回、私、ビールしか飲んでないよね? 混乱していると、彼は私のおでこにキスをした。 「かわいかったよ。必死にしがみついてきて。でも、爪が長いのは頂けないかな」 そう言って、背中を見せられる。 確かに彼の背中には私がつけたと思われる傷がついていた。 「帰る」 慌てて私はベッドの下に散らばっている服を拾おうとすると両腕を抑えられ、無理矢理キスをされた。 「帰さないよ」 意地悪な瞳。 舌が唇をこじ開けて、歯列をなぞる。 「……あっ」 「もっと聞かせてよ、綾瀬さん。あんたのいい声」 上原くんの低い声が私を乱す。 「や……ぁんっ!」 「いいね、グッとくるよ」 .
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