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声が擦れる程、喘いだ。
別れたアイツとの行為は、演技そのものだったのに。
女って、自然と声がでちゃうんだって初めて知った。
私はぼんやりとした頭の中で夢中になって、唇を貪る。
彼の囁きはどこか懐かしかった。
――――
「はい、綾瀬さん」
差し出された水を口にする。
「……このことは、誰にも言わないで」
後輩と一夜を過ごしたなんて、完璧な私には許されない。
「ふうん」
上原くんはにやっと笑った。
「言わなかったら、何してくれるの?」
「は?何を言っているの?あなたがやったことは、強姦よ?」
何かを要求するなんて。
しかもなんでそんなに上から目線なんだ。
「あんなによがってたのに?」
「う、うるさいっ!あんな気持ち良かったら誰でもそうなるわよ!」
私の一言に上原くんは声に出して笑った。
「ははっ、ねえ、綾瀬さん。実は天然でしょ」
「……もうっ!バカにしないでよ!」
まだ笑い続ける上原くんに背を向けて帰る支度をする。
このままだと、髪を巻く時間がとれない。
「ねえ、綾瀬さん。これなーんだ」
携帯を見せられる。
そこには私の裸の写真があった。
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