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「上原くんの歓迎会いつにしよ~か」
上原くんが帰った後、葵くんが声をかけてきた。
「え、またやるの?」
「今回はチームだよ~」
あー、またやるのか。
はあ。
「ショーちゃん、この前ずっと上原くんと話してたね」
「葵くんが南くんとこ行ったからでしょ」
「ごめん、ごめん。でも、戻ってきたんだよ?ショーちゃんは覚えてないだろうけど」
…
…
覚えてない。
「上原くん、ずっとショーちゃんの愚痴聞いてたよ。席変わるよって皆が声をかけたのに、ずっと座ってた」
…
…
そ、そんなことしてたなんて。
恥ずかしい。
よりにもよって、全体の飲み会で。
「ショーちゃんが酔っ払うの、俺、久々にみたよ」
「う、うるさいっ!私だって酔いたくなかった!」
思わず声を張り上げてしまう。
ハッとなって、両手で口をふさぐ。
「ストレス、ためすぎ」
葵くんが鼻をちょんっとつついた。
「ショーちゃんは不器用だからな。たまにはガス抜きしようよ。俺、付き合うよ?」
「……平気、よ」
葵くんは、一瞬真面目な顔になり、へらっとした。
「そう?いつでも声かけなよ?」
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