連鎖

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「ショーコ。俺の素顔、バラしちゃった」 10月中旬、いつもの資料室で頭をかきながら笑う彼。 私は青ざめた。 「え、だ、誰に?」 女だったら、もうアウト。 彼にその気がなくたって、女は寄ってくるだろう。 「堺さん」 「え?」 そこにでてきた名前は、男で。 しかも、同期でグループで1、2を争う美形。 私としては、上原くんの方が好みだけど。 「な、なんで?」 「堺さんちに泊まっちゃった」 はあ!? 「どうして、基盤の貴方が他のグループの堺さんとそんなに仲がいいのよ」 「俺から近づいたから」 ……まさか、敵は女だけじゃなかったかもしれない。 浮気の対象は男にもなりえるのよね。 「……上原くんって、バイ?」 私の質問に彼は飲んでいた水を吹き出しそうになった。 「ぶっ、その発想おかしいでしょ!それに俺はショーコ一筋だよ!」 頬をぷにっと摘まれた。 「俺を信用してよ」 「……ごめん」 素直に謝ると、彼は目をパチクリさせた。 「ずいぶんかわいくなったね。俺の調教のおかげ?」 「……んっ」 唇が重なる。 結局なんでばれたかわからないまま、一日が始まった。 .
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