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「でも、ショーコがとびっきりかわいいこと皆にばれちゃうのはな……男に狙われないか心配だよ」
里芋を口に運びながら、彼は眉を寄せる。
「そんな、私は基盤の女王様なのよ。誰も自ら近づいてこないわ」
クスッと笑う。
そんな私に、彼は余計眉をひそめる。
「すでにショーコを狙ってる奴は二人はいるんだ。これ以上増えたら、心臓が何個あっても足りないよ」
モグモグと口を動かしながら、お味噌汁にのびる手。
ズズッとすする音。
「ふ、二人?誰?」
私は箸を置いて聞いてしまった。
「内緒。それでショーコがそっちにいったらやだし。」
…
…
「その時は、上原くんが奪い返しにきてくれるんでしょ?」
…
…
上原くんは、箸を口にくわえたまま呆然としている。
「行儀が悪いわよ」
私は先輩面をして、お味噌汁をすする。
うん、やっぱ秋は茄子ね。
自画自賛しながら、箸を進める。
「どうしたの?」
未だぼーっとしている上原くんの顔の前で手をふる。
「ショーコ、やばすぎ。それも天然?」
「何が?」
一足先に食べ終わった私はお茶をいれるため、席をたつ。
「ほうじ茶でいい?」
彼は笑顔で頷いた。
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