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土曜日。電車に乗り込むと、ビールをプッシュッと開ける音。
「そんな目でみるなよーおっさんイズムだって」
「そんなまだ若いんだから、無理におっさんにならなくても……」
私はふうっとため息を吐くと、彼は私の首を触る。
正確にはストールの下にある首輪を、だ。
「ちゃんと着けてるみたいだね」
満足気に笑う彼。
そう、私は買ってもらった首輪を公衆の場でつけていた。
「ドキドキしてるみたいだね」
彼はゴクッと喉を鳴らした。
「そ、それは仕方ないじゃない。ばれたら恥ずかしいもの」
私はストールをギュッと握り締めた。
「結構、興奮するね。やっぱ」
私は思わず、唾を飲み込んでしまった。
「ショーコも興奮してるみたいだね」
顎をつかまれ、親指で唇をなぞられる。
「後でしっかり可愛がってあげるよ」
彼はにっこり笑った。
アブノーマルのことをしているのにも関わらず、私は嫌ではなかった。
上原くんのする変態行為を受け入れる私って……。末期だわ…。
頭を悩ませながらも、彼の肩に頭をのせた。
とても心地よかった。
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