連鎖

12/27
前へ
/357ページ
次へ
土曜日。電車に乗り込むと、ビールをプッシュッと開ける音。 「そんな目でみるなよーおっさんイズムだって」 「そんなまだ若いんだから、無理におっさんにならなくても……」 私はふうっとため息を吐くと、彼は私の首を触る。 正確にはストールの下にある首輪を、だ。 「ちゃんと着けてるみたいだね」 満足気に笑う彼。 そう、私は買ってもらった首輪を公衆の場でつけていた。 「ドキドキしてるみたいだね」 彼はゴクッと喉を鳴らした。 「そ、それは仕方ないじゃない。ばれたら恥ずかしいもの」 私はストールをギュッと握り締めた。 「結構、興奮するね。やっぱ」 私は思わず、唾を飲み込んでしまった。 「ショーコも興奮してるみたいだね」 顎をつかまれ、親指で唇をなぞられる。 「後でしっかり可愛がってあげるよ」 彼はにっこり笑った。 アブノーマルのことをしているのにも関わらず、私は嫌ではなかった。 上原くんのする変態行為を受け入れる私って……。末期だわ…。 頭を悩ませながらも、彼の肩に頭をのせた。 とても心地よかった。 .
/357ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5241人が本棚に入れています
本棚に追加