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グラスを作り、できたものを郵送することにした。
上原くんは自分のグラスの宛先を私の家にしよう、と言ってきた。
「ワインも送っちゃえばよかったね」
「あー、しまった」
二人でふっと笑いあった。
外に出ると夕暮れ時だった。
「旅館に行こうか」
差し伸べてきた手を躊躇いなく、握り締めた。
――――
「じゃ、18時40分に待ち合わせで」
旅館に着いた私達は温泉に入ることにした。
私はスリッパに足を通そうとすると、上原くんは慌てて引き止めた。
「ショーコ、首輪!」
ハッとなり、ストールをとる。
最初は恥ずかしかったのに、すっかり馴染んでしまった。
「やっぱ、ショーコは赤だな」
首輪と肌の境界にキスをされる。
「ん」
そのまま、鎖骨に下りていき、真っ赤なキスマークをつけられた。
「首輪の代わり」
尖った舌で、ツゥーッとなぞられる。
私は彼の肩に手をあて、必死に耐えた。
「食べたいけど、我慢する」
パッと彼は私から離れ、私の腕はダランと落ちた。
「なん……で?」
「浴衣のショーコを脱がしたいから」
彼はいたずらっ子のような顔をして、唇に軽くキスをした。
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