連鎖

14/27
前へ
/357ページ
次へ
グラスを作り、できたものを郵送することにした。 上原くんは自分のグラスの宛先を私の家にしよう、と言ってきた。 「ワインも送っちゃえばよかったね」 「あー、しまった」 二人でふっと笑いあった。 外に出ると夕暮れ時だった。 「旅館に行こうか」 差し伸べてきた手を躊躇いなく、握り締めた。 ―――― 「じゃ、18時40分に待ち合わせで」 旅館に着いた私達は温泉に入ることにした。 私はスリッパに足を通そうとすると、上原くんは慌てて引き止めた。 「ショーコ、首輪!」 ハッとなり、ストールをとる。 最初は恥ずかしかったのに、すっかり馴染んでしまった。 「やっぱ、ショーコは赤だな」 首輪と肌の境界にキスをされる。 「ん」 そのまま、鎖骨に下りていき、真っ赤なキスマークをつけられた。 「首輪の代わり」 尖った舌で、ツゥーッとなぞられる。 私は彼の肩に手をあて、必死に耐えた。 「食べたいけど、我慢する」 パッと彼は私から離れ、私の腕はダランと落ちた。 「なん……で?」 「浴衣のショーコを脱がしたいから」 彼はいたずらっ子のような顔をして、唇に軽くキスをした。 .
/357ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5241人が本棚に入れています
本棚に追加